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セッションリプレイ機能で、デバッグをさらに正確かつ迅速にする方法 – Ichizoku

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セッションリプレイ機能で、デバッグをさらに正確かつ迅速にする方法

Article by: Sarah Guthals

開発者なら誰しも、デバッグに時間がかかることを痛感した経験があるでしょう。
なかなか再現できないバグを追いかけたり、あいまいなユーザー報告を頼りに問題を特定しようとしたりすると、シンプルな修正のはずが何時間もの作業になってしまうこともありますよね。
ログやメトリクストレースを活用すれば原因の特定に役立ちますが、それだけではユーザーへの影響を正確に把握するのは難しいものです。

そこで役立つのがセッションリプレイです。
ユーザーセッションをビデオのように再生できるこのツールを使えば、デバッグ効率が飛躍的に向上します。ユーザーからの報告を待つ必要も、あいまいな再現手順に振り回されることも、すべての環境を完璧に再現する必要もありません。
セッションリプレイを使えば、「どこで」「何が起こったのか」を正確に把握することが可能です。

この記事では、Sentryのセッションリプレイの仕組みと、それがどのようにデバッグの効率化、ユーザーとのやり取りの削減、さらにはアプリケーションのパフォーマンス向上に役立つのかを詳しく解説します。

 

セッションリプレイとは?

もし、ユーザーがアプリを操作する様子をリアルタイムで映像として確認できたらどうでしょうか?
クラッシュやパフォーマンスの問題が発生するまでの流れを、正確にたどることができたらどうでしょうか?

セッションリプレイは、まさにそのための機能です。
ユーザーのクリック、スクロール、入力操作などを記録し、それをネットワークアクティビティやコンソールログ、エラーの詳細、さらにはCore Web Vitalsとあわせて表示します。
これにより、問題発生までの流れを可視化し、トラブルシューティングの際の「推測」をなくすことができます。

従来のデバッグ手法であるスタックトレースやログは、バグの再現や原因の特定に必要な情報をすべて提供できるとは限りません。特に、問題の発生状況が不明確な場合、それだけでは十分なコンテキストを得るのが難しいこともあります。

セッションリプレイを活用すれば、ユーザーがどのような操作を行い、それに対してアプリがどのように反応したのかを視覚的に確認できます。そのため推測に頼ることなく、より素早く正確に問題の原因を特定できます。

 

なぜセッションリプレイを活用すべきなのか

セッションリプレイの利点は、開発者のワークフローやチームの体制、ユーザーの特性、アプリケーションの種類によって多少異なります。
しかし、デバッグの効率化やユーザー体験の向上といった点で、どんな開発環境にも共通して有益なメリットがいくつかあります。

デバッグ効率を飛躍的に向上させる

エラーレポートを受け取った際、詳細を確認するために何度もユーザーとやり取りをした経験はありませんか?
問題の説明を詳しく聞いたり、スクリーンショットを依頼したり、ネットワークログを取得してもらったりするのは、開発者・ユーザー双方にとって大きな負担となります。

セッションリプレイを使えば、こうした手間を省くことができます。
ユーザーが問題を報告する前の段階から、エラーが発生するまでの操作をビデオのように正確に再現できるため、原因を素早く特定し、スムーズに修正作業に取り掛かることが可能なのです。

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再現が難しい複雑なバグにも対応可能

バグの再現は、特に発生頻度が低いものほど厄介な存在です。
フロントエンドとバックエンドの複雑な連携によって発生する問題は、一つひとつの要因を切り分けて特定するのに数時間かけてしまうことも珍しくありません。

Sentryのセッションリプレイを活用すれば、これらの問題が発生した瞬間をリアルタイムで自動記録できます。どのUI操作がバックエンドのエラーやAPIリクエストの失敗につながったのかを正確に把握できるため、無駄な試行錯誤を減らし、迅速に修正へとつなげられます。

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エンドツーエンドの可視化を実現

Sentryのトレース機能と組み合わせることで、セッションリプレイはフロントエンドのクリックからバックエンドのAPIコールまで、処理の流れを可視化します。

例えば、APIのレスポンスが遅くてユーザー体験に影響を与えている場合、セッションリプレイを使えば、ユーザーがその影響を受けた正確なタイミングを特定できます。
さらに、Sentryのネットワークトレースを活用すれば、サーバーの応答遅延や設定ミスによるエンドポイントの問題などを素早く特定でき、迅速な対応が可能になります。

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ユーザー体験の向上をサポート

バグを素早く修正するだけでなく、問題が広がる前に先手を打つことも重要です。
セッションリプレイを活用すると、ユーザーがどのようにアプリを操作しているのかを把握でき、特定の操作で行き詰まったり、パフォーマンスの問題に直面したりしている箇所を可視化することが可能です。

こうした問題を事前に修正することで、ユーザー体験を向上させ、アプリの継続利用につなげることができます。

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プライバシーに関する懸念について

ユーザーのセッションデータを扱う際、プライバシーは重要な要素のひとつです。
セッションリプレイは、プライバシーを最優先に考えた設計になっており、どのデータを記録するかを柔軟に制御できます。例えば、フォームに入力された個人情報などの機密データを自動的にマスキングすることで、ユーザーの信頼を損なうことなくデバッグを進めることが可能です。

さらに、ツールには詳細なプライバシー設定が標準で備わっており、可視性とプライバシーのバランスを簡単に調整することができます。

例えば、個人情報を含まない静的なWebサイトの場合、デフォルトのテキストマスキングや画像ブロックを無効化できます。これには、maskAllText や blockAllMedia などの設定オプションを適用するだけで対応できます。

 

Sentryのセッションリプレイの始め方

セッションリプレイの魅力の一つは、その導入の手軽さにあります。
フロントエンドに適切なSentry SDKを追加するだけで、簡単に統合できます。
例えばNext.jsを使用している場合は、ウィザードを実行するだけでセットアップが完了します。

さらに、キャプチャレートの調整やプライバシー設定のカスタマイズも可能で、アプリのパフォーマンスに大きな影響を与えることなく柔軟な管理ができます。
設定は以下のように、sentry.client.config.ts に数行追加するだけです。

注意: テスト中は、replaysSessionSampleRateを1.0に設定することを推奨します。
この設定により、すべてのユーザーセッションがSentryに送信され、デバッグ時の可視性が最大限に確保されます。
ただし、本番環境でのテスト終了後は、この値を適正値まで下げましょう。
replaysOnErrorSampleRateを1.0のままにしておくと、発生したすべてのエラーに対して、関連するリプレイを取得することが可能になり、追加のデバックコンテキストを得ることができるためです。セキュリティ問題に発展しないよう、扱いにはご注意ください。

TL;DR セッションリプレイ設定
  1. Sentry SDKのインストール
    まず、プロジェクトにSentryを設定しましょう。設定が完了したら、クライアント設定ファイルにセッションリプレイの統合を追加するだけで、すぐに使用を開始できます。
  2. プライバシー設定の構成
    Sentryのプライバシーツールを活用し、入力フィールドや個人識別情報などの機密データをマスキングしましょう。これにより、データ保護規制に準拠しながら、必要なデバッグ情報を取得できます。
  3. セッションのモニタリング
    セッションリプレイを有効にすると、エラーやパフォーマンス問題、ネットワークトレースとともに、ユーザーセッションのビデオのような再生を確認できます。これにより、デバッグのスピードアップ、問題の根本原因の特定、ユーザー体験の向上が可能になります。

 

セッションリプレイでより速くデバッグ

開発者は、ユーザーから常に迅速かつ高品質なアプリケーションの提供が求められています。
そんな中、セッションリプレイはフロントエンドエンジニアが複雑なUIの問題をデバッグする場合や、フルスタック開発者がフロントエンドの操作とバックエンドAPIのパフォーマンスを結びつける場合 に不可欠なツールとなり得ます。

バグの再現確認にかかる時間を短縮し、問題の可視性を向上させることで、Sentryは開発者がより良いソフトウェアを開発することに集中できる環境を提供します。

まだ試していない方は、数分でアプリにセッションリプレイを統合し、ワークフローに与える違いをぜひ体験してみてください。

準備はできましたか?Sentryにサインアップして、セッションリプレイでデバッグを開始しましょう。

 


 

IchizokuはSentryと提携し、日本でSentry製品の導入支援、テクニカルサポート、ベストプラクティスの共有を行なっています。Ichizokuが提供するSentryの日本語サイトについてはこちらをご覧ください。またご導入についての相談はこちらのフォームからお気軽にお問い合わせください。

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